住宅の気密性

今回は高断熱に引き続き、高気密施工についてお話ししたいと思います。
まず気密性とは家のあらゆる隙間からの空気の出入りを防ぐことであり、断熱性とセットで
考える必要があります。

また24H換気システムによって計画換気をする上でも重要な要素となります。
もし家が隙間だらけであればせっかく断熱材を厚くして冷暖房の熱移動を少なくしようと
思っても、隙間から抜けてしまい冷暖房効率が下がる上換気システム自体も計画通りの換気ができなくなってしまいます。

気密性の指標として「C値」が用いられております。
このC値とは家の床面積1㎡に対してどの程度の隙間があるかのか?を数値化して示しており、
数値が低いほど気密性は高くなります。
具体的に国などが気密性を定義している訳ではありませんが、住宅業界では1.0㎠/㎡以下を目安として高気密住宅と
しております。簡単に言うと1メートル角に対して1センチ角の穴が開いている状態です。

住宅性能を重視している建築会社の場合、C値0.5㎠/㎡以下の数値目標であったり、お客様に対してのマスト数値に
しております。主な理由としてはC値1.0以下にしないと計画換気がコントロール出来ないということと、建築時のC値
計測から年数が経つと数値が落ちるため、0.5であれば仮に数値が落ちた場合でも1.0以下を保てるというところに
あります。

気密測定試験

気密測定試験は通常建築途中に行うことが一般的です。
気密ラインを外部での断熱材でとる場合などは上棟後すぐに行う会社もあったり、タイミングは断熱仕様や工法など
によっても異なりますが、完成時だと直しが出来ないためなるべく早い段階で測定をし、問題があれば修正を行う
のが一般的です。

測定試験に立ち会ってみるとよくわかりますが、断熱材の種類や工法使用している部材でも数値に影響が出ます。
例えば現場で吹き付ける発泡ウレタンなどは下屋があるような複雑な間取りなどでも隙間なく施工出来ますので
比較的容易に気密を取りやすいです。ただし、有機質な素材のため経年劣化して縮んだりして性能が落ちていきます
ので、安価で使いやすいのですが、もし使うのであればなるべく縮みにくい30倍や50倍などのものをお勧めします。

また性能を売りにしているハウスメーカーによく見受けられますが、安価なため引違いサッシを多用しているケース
をよく見ます。
引違いサッシ1カ所で約0.05程度数値が下がりますので、多く使えば使うほど数値は出にくくなります。
会社によっては数値が思うように出ない場合、玄関ドアやサッシを目張りして測定することもありますので、
正確な性能とは言えません。

また測定時に0.5を上回る数値が出た場合、大抵はどこかに大きく空気が漏れている原因が存在しますので、
問題の箇所を見つけるため、数時間もかけて探す場合もあります。
他にも床断熱なのか、基礎断熱なのかなど工法によってチェックする場所や使用する部材も変わりますので、
高性能を維持するためには、丁寧な工事と使用部材の検討が必須になってきます。

こだわりの建築会社さんはドイツのウルト社の高性能部材をよく使用しておりますが、最もコストが安くて汎用性の高い
マット状のグラスウールを使って軽くC値0.5を大きく下回る数値を出している建築会社さんもありますので、材料に関係なく
造り手の技術力次第で大きな違いがあるのがよくわかります。

やはりいい家づくりには造り手の想いがとても重要と言うことですね!